夏になると大量に汗をかいて、毎日憂鬱……
緊張すると汗をかいてしまうのがコンプレックス……
大量に汗をかくのをどうにかしたい!
暑かったり、緊張することで大量に汗が出てくると悩む人は多いです。もし、日常生活に支障をきたすほど汗をかく場合は「多汗症」と呼ばれる病気の可能性があります。
体質だから仕方ないと諦める人もいますが、多汗症ならば治せるかもしれません。
この記事では、多汗症を治す方法はあるのか、原因や解決方法について解説していきます。
自分は多汗症かもしれない、汗を止めたいという人は、ぜひ最後までご覧ください。
多汗症とは
人間は、温度や緊張、辛いものを食べたりすると汗をかきます。
しかし、体温や運動とは関係なく、手足や脇、顔などに汗が過剰に出る場合は「多汗症」かもしれません。
多くの場合、幼少期から発症し学業や日常生活に不具合をきたしますが、自分が多汗症と気づかず、大人になっても悩む人がいます。
多汗症は、人によって症状や原因が異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
多汗症の症状
多汗症の症状には、以下のようなものが挙げられます。自分に当てはまるものがあるか、参考にしてみてください。
●手の平、足の裏、脇が常に湿る
●気温が高くなくても多量の汗をかく
●緊張すると多量の汗をかく
●手汗のせいで紙に書いた文字が滲む
●脇の下の汗ジミが気になる
●睡眠中には汗をかかない
●多汗症の家族がいる
●電化製品が汗のせいで故障しやすい
多汗症の人は症状のせいで、人目を気にするようになり生活にも支障が出る人が多いです。
上記に当てはまる症状でお悩みの方は、一度医療機関に相談してみるといいでしょう。
多汗症の原因
多汗症の原因には「全身性多汗症」と「局所性多汗症」と大きく2つあります。それぞれの特徴と原因は以下のとおりです。
●全身性多汗症
全身性多汗症は、体全体に汗をかくタイプで、運動や高温環境、発熱などの原因があります。
更年期障害、糖尿病、肥満症といった病気からの場合も多いです。
●局所性多汗症
局所性多汗症は、体の一部分だけ汗をかくタイプで、恐怖やストレスなどの精神的緊張が原因です。
手の平と足底以外の局所性多汗の場合は、神経疾患が原因のケースが考えられます。
上記以外にも「原発性多汗症」があり、原因が不明なタイプの多汗症となります。
多汗症を治す方法3選
多汗症は、日常の生活にも影響を及ぼしますし、できるなら治したいと思っている方も多いでしょう。
そこで、ここからは多汗症を治す方法3選について詳しく解説していきます。
●セルフケア
●薬による治療
●美容皮膚科での治療
現在、汗が止まらないと悩んでいる人は、どの方法が自分に合っているかをチェックしておきましょう。
セルフケア
多汗症は、セルフケアでも抑えることが可能です。おもなケアの方法としては以下のとおりです。
●普段から睡眠をしっかりとり、自律神経を整えておく
●カプサイシンなど発汗を促す成分は摂取しないようにする
●緊張する場面がある時は、事前にシミュレーションをするなどして対策しておく
●できるだけストレスを溜めないように、自分なりの発散方法を知っておく
これなら、普段の日常生活の中でも簡単に取り入れられると思うので、ぜひ試してみてください。
しかし、こういったセルフケアで効果を感じられるのは軽度の多汗症の場合です。重度の多汗症であれば、ほかの方法を実践する必要があるので注意してください。
薬による治療
多汗症は、薬による治療ができます。治療の際に利用される薬は以下のとおりです。
●内服薬
保険適用の「臭化プロパンテリン」という自律神経を抑える薬、適用外の「オキシブチニン」「コハク酸ソリフェナシン」などの内服薬があります。
効果にばらつきや副作用もあるので医師に相談してから決めましょう。
●外用薬
外用薬も何種類かありますが「塩化アルミニウム」が有名で、気になる部分に塗ることで汗腺を塞いで発汗を抑えます。
汗で流れると塗り直しが必要で、肌荒れの恐れもあるので注意です。
●漢方薬
患者の症状に合わせて「桂枝湯」「防已黄耆湯」「五苓散」などの漢方薬で汗を抑えます。
体に優しいですが、効果が出るのが緩やかなので即効性は期待できません。
気になる方は、医療機関で相談してみましょう。
美容皮膚科での治療
多汗症は、美容皮膚科での治療もできます。当院で行っている多汗症の治療は以下のとおりです。
●ボトックス注射
ボトックス注射をすることで、薬剤の効果で筋肉の機能を麻痺させて発汗を抑えます。
効果は4〜9か月程度続くと言われていて軽度の人であれば、夏場に打っておけば十分な効果が期待できるでしょう。
短時間で終わって、傷跡も残らないのが嬉しいポイントです。
●せん徐法
せん除法という手術で、脇下の皮膚を3~4cm切開し、肉眼で判断できるアポクリン汗腺をできる限り除去します。
ダウンタイムがあるので、術後のケアには気を使いますが、汗に対する高い効果が期待できます。
●クイック法
クイック法は、ワキの下の皮膚を5mm〜1cm切開し、極細のカニューレを挿入して汗腺を取り除く治療です。
切開法に比べると傷口が小さいため、ダウンタイムが短く傷も目立ちにくいのが特徴です。
多汗症は、軽度〜重度まで症状によってさまざまな治療法がありますが、高い効果を期待するなら美容皮膚科での治療を検討してみるといいでしょう。
まとめ|多汗症を治してコンプレックスを解消しよう!
本記事では、多汗症を治す方法や原因、解決方法について解説してきました。
多汗症は、そのままにしておくと症状が酷くなったり、周りを気にして対人関係にも影響が出る可能性もあります。セルフケアや、薬による治療もできるので軽度であれば試してみるのもいいでしょう。
しかし、手っ取り早く治したい、重度で効果を感じられない人は美容皮膚科がおすすめです。
とくに、切開する手術法であれば高い効果が期待できるので、クリニックに相談してみてください。
本記事は、日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS及びJSAPS)所属のアモーレクリニック院長鈴木秀明医師の監修のもと、内容の正確性や信頼性を確認しています。