
ワキガって遺伝するの?
子どもにワキガ体質がうつるか心配……
耳垢が湿っているとワキガって本当?
ワキガに関して、このような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ワキガは、アポクリン汗腺の働きや数など、生まれつきの体質に深く関わるものとされており、遺伝との関係も指摘されています。
本記事では、ワキガのニオイの仕組みから、遺伝の確率、耳垢との関係を紹介。そして自分でできる対策や医療機関での治療法まで、気になるポイントをわかりやすく解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
ワキガは遺伝する?原因と体質の関係
ワキガに悩んでいる人の多くは「自分の子どもにも遺伝するのでは?」という不安を抱えている方も多いでしょう。
実際、ワキガは体質によるもので、遺伝との関係も深いと言われています。
ここでは以下の3つの視点から、ワキガと遺伝の関係についてわかりやすく解説していきます。
●ワキガのニオイの仕組みとは?
●遺伝の影響はどれくらい?親から子への確率
●耳垢が湿っているとワキガ体質っていうのは本当?
1つずつ見ていきましょう。
ワキガのニオイの仕組みとは?
ワキガのニオイは、脇の下に多く存在するアポクリン汗腺から分泌される汗が主な原因です。
この汗自体には強いニオイはありませんが、皮膚の常在菌がアポクリン汗を分解することで、特有のニオイが生じます。
アポクリン汗には脂質やたんぱく質などの栄養分が多く含まれており、菌の繁殖を促し、分解の過程でニオイが強くなる仕組みです。
ワキガ体質の人は、アポクリン汗腺が生まれつき発達している傾向があり、それによってニオイが目立ちやすくなります。
遺伝の影響はどれくらい?親から子への確率
ワキガは、遺伝的要素が強い体質とされています。両親のどちらか、または両方がワキガ体質である場合、子どもにもその体質が受け継がれる可能性が高まります。
遺伝の確率は以下の通りです。
●両親ともにワキガ体質:約75%以上の確率で遺伝
●片方の親がワキガ体質:約50%以上の確率で遺伝
このような遺伝率の高さは、アポクリン汗腺の発達に関わる優性遺伝子の影響によるものです。
つまり、ニオイの強さや汗腺の数といった特徴は、環境だけでなく生まれつき備わった体質に起因する側面が大きいと言えます。
耳垢が湿っているとワキガ体質っていうのは本当?
湿った耳垢は「湿性耳垢」と呼ばれ、アポクリン汗腺の働きが活発な人に多く見られる特徴のひ1つです。
アポクリン汗腺は耳の中にも存在しており、分泌量が多いと耳垢が湿る傾向にあり、湿性耳垢の人はアポクリン汗腺の発達が比較的強く、ワキガ体質である可能性が高いと言えます。
ただし、湿性耳垢=必ずワキガというわけではなく、あくまで「体質の目安」として理解することが大切です。
ワキガが気になるときの対策
ワキガは体質によるものとはいえ、日常生活に支障をきたすレベルであれば、早めの対処が安心につながります。
ここでは、ワキガが気になるときの対策を紹介します。
●セルフチェックをする
●市販アイテムでニオイケアをする
●医療機関での治療をする
ワキガの悩みを抱え込まず、自分に合った対処法を見つけることが大切です。状況に応じて、セルフケアと医療の選択肢をうまく使い分けていきましょう。
セルフチェックをする
まずは、自分がワキガ体質かどうかを把握することが大切です。以下のような特徴に当てはまる場合は、ワキガ体質の可能性があります。
●耳垢が湿っている(湿性耳垢)
●着ているシャツの脇部分が黄ばんだり、ニオイが残る
●両親またはどちらかの親がワキガ体質
●自分の体臭に気づいたり、人から指摘された経験がある
これらの項目に複数当てはまる場合は、アポクリン汗腺が活発である可能性があります。
簡単なチェックで傾向をつかめますが、気になる方は専門機関での相談もおすすめです。
市販アイテムでニオイケアをする
自宅で手軽にできる対策として、制汗剤やデオドラント製品の使用は非常に有効です。
デオドラント製品には「医薬部外品」と「一般化粧品」の2種類があり、それぞれ効果の範囲が異なります。
種類/効果
医薬部外品/◎ 制汗・ワキガ・汗臭の予防が可能
一般化粧品/△ 香りでカバーするのみ、予防効果なし
ニオイが気になる場合は、制汗・防臭効果が認められている「医薬部外品」がおすすめです。
ただし、根本的な原因である汗腺の働き自体を変えることはできないため、あくまで一時的な対処法として利用しましょう。
医療機関での治療する
セルフケアで改善が見られない、もしくは強いニオイに悩まされている場合は、医療機関での相談を検討してみましょう。
アモーレクリニックでは、以下の治療法を用意しています。
【治療方法】
ボトックス注射:ボトックス注射でアポクリン汗腺の活動を抑制する方法
クイック法:ワキの下の皮膚の一部を直径数ミリ〜数センチほど切開し、カニューレと言われる管をさしこんでアポクリン腺を破壊・吸い出す方法
剪除法:ワキの下の皮膚の一部を直径数ミリ〜数センチほど切開し、直接手技にてアポクリン腺を除去する方法
いずれも保険適用外となることが多いため、費用やダウンタイムについてもしっかり確認する必要があります。
専門的な治療はニオイの根本改善を目指せるため、長期的な解決を望む方にとって有力な選択肢です。
まとめ|ワキガは体質と遺伝を正しく知って前向きに対策しよう
ワキガは体質に起因し、とくにアポクリン汗腺の発達や遺伝の影響が大きいとされています。
両親のいずれかがワキガ体質であれば、子どもに遺伝する可能性も高まります。耳垢が湿っているなどの特徴がある場合は、ワキガ体質のサインかもしれません。
気になる方はセルフチェックや市販アイテムでのケアを試しつつ、必要に応じて医療機関での治療も検討しましょう。

本記事は、日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS及びJSAPS)所属のアモーレクリニック院長鈴木秀明医師の監修のもと、内容の正確性や信頼性を確認しています。