
イソトレチノイン(ロアキュタン)とは?ニキビでお悩みの方に効果やメリット・デメリット、実際の施術例まで解説。
はじめに
重度のニキビに悩む方にとって「イソトレチノイン(商品名:ロアキュタン・アキュテインなど)」は救世主とも呼べる存在です。1982年にFDA米国食品医療品局が重症ニキビ治療薬として承認した実績があり、日本では未承認のため自由診療で提供されています。皮膚科で処方される内服薬の中でも特に強力な効果を持ち、長年繰り返してきたニキビの改善に大きな成果をもたらしました。一方で、副作用や使用上の制約があるため「飲んでみたいけど怖い」と感じている方も少なくありません。
このコラムではイソトレチノインの効果や使用のメリット・デメリット、さらに実際の施術例も交えて詳しく解説します。
目次
1.イソトレチノインの効果
2.使用のメリット
3.使用のデメリット・副作用
4.施術例
5.使用にあたっての注意点
6.まとめ
イソトレチノインとは?
イソトレチノインは、ビタミンA(レチノイド)の誘導体で、皮脂腺の働きを抑えることでニキビの発生源から改善していく薬です。抗生物質や外用薬で効果が不十分だった難治性ニキビに対して処方されることが多く、日本では自由診療で扱うクリニックが中心となっています。
他のニキビ治療と大きく異なるのは「根本的に皮脂分泌を抑制し、再発を防ぐ可能性がある」という点です。
\ニキビを改善する「イソトレチノイン」による治療が可能です/
イソトレチノイン内服はこちら1.イソトレチノインの効果
強力な皮脂抑制作用
皮脂腺のサイズを縮小し、皮脂分泌量を減少させます。これにより毛穴の詰まりが改善され、アクネ菌の繁殖が抑えられます。
炎症ニキビの改善
赤く腫れた炎症性ニキビも治まりやすくなり、皮膚の状態が落ち着きます。
再発のリスク低下
治療終了後も長期的に効果が持続する場合があり、「一度治療してから再び重度のニキビに悩まなくなった」という声も多いです。
精神的な改善効果
ニキビは見た目の問題だけでなく、自己肯定感や人間関係にも影響します。肌トラブルが改善することで心理的な負担が軽減され、生活の質が向上することも大きな効果の一つです。
2.使用のメリット
難治性ニキビへの高い有効性
抗生物質や外用剤で改善しなかった人にも効果が期待できます。
再発しにくい
治療が終わっても皮脂腺の活動がある程度抑制されたまま残り、再発率が低いとされています。
短期間で効果を実感できる
早い人では数週間でニキビの減少を感じられ、3〜6か月の服用で劇的な改善を見せる例も少なくありません。
生活全般の改善
「人と会うのが嫌じゃなくなった」「マスクを外すのに抵抗がなくなった」など、日常生活の質が大きく変化します。
3.使用のデメリット・副作用
乾燥症状
口唇の乾燥・皮膚のかさつきはほぼ全例で起こります。リップクリームや保湿剤が欠かせません。
肝機能・脂質異常
血液検査で肝機能やコレステロール値の上昇が見られることがあります。
催奇形性
妊娠中に使用すると胎児に重大な影響を及ぼすため、妊娠中や授乳中の女性は絶対に使用できません。服用終了後も一定期間は避妊が求められます。
精神的影響の報告
まれに気分の落ち込みや抑うつなどの報告があります。医師との綿密なコミュニケーションが必要です。
保険適用外のコスト
日本では保険が効かず、1か月あたり数千円〜数万円程度の費用がかかります。
4.施術例
ケース1:20代男性・重度の炎症性ニキビ
高校時代からニキビが悪化し、市販薬や皮膚科の外用薬では改善が見られず来院。イソトレチノインを6か月間服用。2か月目で皮脂の分泌が減少し、3か月目には炎症性ニキビが大幅に改善。治療終了後1年以上経過しても再発はほとんど見られなくなりました。
ケース2:30代女性・繰り返す大人ニキビ
社会人になってから頬や顎にニキビが頻発。ホルモン治療や抗生物質を試すも効果が一時的でした。イソトレチノインを4か月服用後、肌が安定し、化粧のりも改善。服薬中は乾燥が強く、リップケアは欠かせませんでしたが終了後も肌状態が良好に維持されています。
ケース3:10代後半・重度の膿疱性ニキビ
受験を控えた高校生。抗菌薬で改善せず、自己肯定感が低下していました。医師と家族の同意のもとにイソトレチノインを導入。半年間の治療で炎症はほぼ消失。副作用は口唇の乾燥のみで心理面でも前向きになり、進学後の生活に良い影響を与えました。

施術内容:イソトレチノイン20mg内服(6ヶ月)
リスク・副作用:胎児の奇形、流産、死産、早産、鬱、精神病などの重大な精神疾患
妊娠している人または妊娠予定の患者は服用してはいけません。
服用期間中とその前後1ヶ月間は妊娠してはいけません。
費用:26,400円~

施術内容:重症ニキビ改善コース(10回)+イソトレチノイン20mg内服(6ヶ月)
リスク・副作用:胎児の奇形、流産、死産、早産、鬱、精神病などの重大な精神疾患
妊娠している人または妊娠予定の患者は服用してはいけません。
服用期間中とその前後1ヶ月間は妊娠してはいけません。
費用:26,400円~
\ニキビを改善する「イソトレチノイン」による治療が可能です/
イソトレチノイン内服はこちら5.使用にあたっての注意点
・医師の管理下でのみ使用可能です。
・妊娠を希望する女性は使用できません。
・サプリメントやアルコールとの相互作用に注意が必要です。
・「自己判断での個人輸入」は極めて危険ですので絶対におやめください。
6.まとめ
イソトレチノインは、重度のニキビに対して非常に有効な治療薬であり、多くの患者さんにとって人生を変えるほどの効果をもたらすことがあります。
一方で、副作用や制限も多く「誰にでも気軽に使える薬」ではありません。医師との十分な相談のもとで使用することが大切です。
ニキビに長年悩まされている方にとって、イソトレチノインは「最後の切り札」となり得る存在です。適切な管理下で使用すれば、健康的で自信の持てる肌を取り戻す大きなチャンスになるでしょう。

本記事は、日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS及びJSAPS)所属のアモーレクリニック院長鈴木秀明医師の監修のもと、内容の正確性や信頼性を確認しています。